BLOG教えて! 家庭医療 Blog

論文掲載!「日本のプライマリ・ケア医の診療範囲と関連する要因:横断研究」

トピックス
研究
総合診療
2025/3/14
Higuchi T, Nakamura M, Ojima T, Inoue M. Scope of practice of Japanese primary care physicians and its associated factors: a cross-sectional study. Fam Med Community Health. 2025 Feb 3;13(1):e003191. doi: 10.1136/fmch-2024-003191. PMID: 39900377; PMCID: PMC11795410.


プライマリ・ケアにおいて「包括的なケア」を提供することは重要な要素の一つです。その指標として、「診療範囲(Scope of Practice, SOP)」が挙げられます。
かかりつけ医登録制度のある欧米諸国では、患者はまずかかりつけ医を受診するため、医師は幅広い健康問題に対応する必要があります。一方、日本の医療制度では、患者が自由に診療科や医療機関を選択できるため、かかりつけ医が必ずしも多様な健康問題に対応しているとは限りません。
今回、プライマリ・ケアの多くを担う診療所医師を対象に診療範囲の実態を調査し、その結果を 「Family Medicine and Community Health」 に論文化しました。


要約
  • プライマリ・ケア医 389 名のアンケート回答を解析
  • 診療範囲に最も強く影響していたのは医師の考え方だった。「幅広い診療をしたい」と考える医師(51.2%)が、最も幅広く診療していた。
  • 日医かかりつけ医機能研修制度修了者やローテート研修修了者の診療範囲は広かった。
  • 小児・思春期診療、在宅医療・緩和ケア、女性医療、メンタルヘルスの診療に課題があった。
地域家庭医療学講座 樋口智也

検索

タグ

カレンダー

最近の記事

PAGE
TOP