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ミシガン大学で実習をした6年生の学生さんの体験談です!<partⅡ>

学生の活動
2024/7/4
2週間のミシガン大学での実習を経て
今回家庭医療の中でトップレベルにあるミシガン大学家庭医療プログラムに参加させていただき多くのことを経験することができた。
人種や性別、年齢を超えたすべての人に対する継続的なヘルスケアメンテナンスの提供を大きく感じることができた。
日本と異なり、アメリカでは毎年 PCP(Primary Care Physician) との定期健診が行われている。その際に1年間の身体的・精神的健康について話を聞き、その病歴から今年1年でどのような検診・ 治療を推奨するかに対する診療であった。
日本とは保険制度が異なるため、検診や検査は家族歴などからリスクを考慮し不必要な検査は行わないようにするようにUS preventive services task forceという疾病予防とエビデンスに基づく検討を行い最低限の資源で健康増進を行っていることが印象的であった。
また、私自身家庭医療の中でも緩和医療に興味があり今回Chelsea retirement  communityという老人ホームでの家庭医の役割を見学させていただいた。同じ老人ホームの敷地内に様々な自立度に合わせた施設が存在し、その自立度に合わせた人員の配置や施設設備の充実がありQOL維持の重要性を感じることができた。また患者だけでなく家族の話にも耳を傾け周りの意見・要望にも配慮した意思決定を拝見することができ、家庭医は自分らしく最期を迎える手助けを行うための手助けが役割であると感じることができた。

今回の留学で日本の家庭医と比較してアメリカの家庭医の方がよりかかりつけ医として機能しているという印象を受けた。日本では何か症状があるなど有事の診察以外で患者とコミュニケーションをとるということが少ないが、アメリカでは年に1回の定期診断がありその際に1年の健康状態を聞くことができるため定期的なフォローがしやすいと感じた。また産婦人科や小児科が行う妊婦検診や新生児検診、精神科が行う精神疾患への対応、皮膚癌診断のための皮膚生検など日本ではそれぞれの専門医が行う診療を家庭医は行っておりとても驚いた。特定の専門に限らない家庭医だからこそ幅広い診療を提供できるということを感じることができた。

今回の実習での反省点として自身の知識不足を多く感じた。幅広い診療を行う家庭医のため診療科の知識も幅広い必要がある。自分の苦手な診療科の知識が乏しくなぜその治療を行うかなどに結び付けることができなかったため症状から鑑別疾患を挙げる能力や治療を行うにあたってその疾患にある特徴などを学んでいく必要があると感じた。
2週間と短い期間でしたがトップクラスにある家庭医を見学させていただき刺激を受けることができました。今後自身が家庭医として静岡県の医療に貢献する際に今回の経験を取り入れた医療を提供していきたいです。
家庭医に興味のある人にとって自身の家庭医のあり方をより深めることができる機会になると考えます。
貴重な経験をありがとうございました。
医学部医学科6年 鷺坂 陽香

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