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ワルシャワ医科大学で実習をした6年生の学生さんの体験談です!

学生の活動
2024/5/13

ワルシャワ医科大学家庭医療科 実習報告

今回、私はポーランドのワルシャワ医科大学に4週間留学をした。
ワルシャワは治安が良く、交通の便が良い都会でありながら、町中には緑が多く、綺麗な公園がたくさんあり、心地よい都市であった。物価はヨーロッパの中では安く、日本とほぼ同程度で、非常に生活しやすかった。


家庭医療での実習は2週間で、1週目は小児、2週目は成人の外来見学をした。同意が得られた患者に対しては、身体診察(胸腹部の聴診、聴診器を使った血圧測定)、英語での医療面接をやらせてもらった。身体診察はOSCEやポリクリで学んだ通り、問題なく行うことができた。医療面接はところどころ理解が追いつかないところがあり、難しいと感じたが、非常に良い経験になった。実習における問題点としては、基本的には医者と患者の会話はポーランド語であったため、理解できなかった。

実習中に教えていただいたポーランドの特徴は3つある。
1つ目は、チェルノブイリ原子力発電所事故の影響により、橋本病を持つ患者多いということである。
2つ目は食事の影響で大腸癌患者が非常に多いため、50歳以上の人は必ず大腸内視鏡を検診で受ける。日本では便潜血で陽性になれば任意で大腸内視鏡を受けるため、ポーランドの方が検査への積極性が高いようである。
3つ目は、9月から3月にかけての日照時間の減少に伴い、ビタミンD不足が懸念されるため、家庭医受診時にビタミンDの処方が行われる。ヨーロッパの中でも、イタリアなどの緯度が低い地域ではこのような習慣は見られないが、北欧などの地域では年間を通じてビタミンDの摂取が勧められている。

さらに、ワルシャワ医科大学の日本人学生の紹介でアレルギーに関するワークショップに参加した。学生が20分ほどアレルギーに関する講義を行った後、様々なアレルゲンに対するプリックテストを行った。ワルシャワ医科大学の医学部学生は部活動ではなく、診療科ごとのサークルに所属しており、様々な行事(OSCE、縫合、内視鏡など)を開催していた。参加してみて、そのクオリティーの高さや学生の意識の高さ、積極性の違いを肌で感じることができた。
また、海外で部活(バスケットボール)に参加するという夢を叶えることができた。ポーランドは平均身長が180cmと非常に高く、体格もがっしりしており、日本では味わうことができないフィジカルを体験することができた。
今回の留学は、私にとって大学入学前からの目標であり、留学のために努力を積み重ねてきた。初めての異国の地での生活は多くの苦難があったが、それ以上に毎日が刺激的で、これまでの努力が実った最高の4週間であった。これからも英語力を維持し、将来の留学に向けて準備をしていきたい。

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